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病院長挨拶

病院長挨拶 柳川達生

病院長挨拶 柳川達生

令和2年8月に院長を拝命しこのたび6年目を迎えました。当院は昭和23年地域住民の皆さまの熱意により江古田の地に設立され、平成18年に現在の場所へ移転しました。以来「地域にとって必要な医療とは何か」を考えながら歩みを続けてまいりました。

当院の使命は地域の皆さまに必要なときに必要な医療を届け、「かかりつけ医機能病院」として地域医療を支えることにあります。かかりつけ医機能とは、日頃の診療や健康相談、介護・福祉との連携など、暮らしに寄り添う医療を地域全体で支えていく仕組みです。これらを一つの医療機関ですべてを担うことはできません。診療所、病院、在宅や介護の現場がそれぞれの役割を分担し連携することが大切だと考えています。

その中で地域の診療所の先生方と連携し、入院や専門的な検査・治療が必要な患者さんを確実に受け止め、治療後は再び地域の医療や生活につなぐ「支える側の拠点」としての役割を担っています。令和8年4月から始まる「かかりつけ医機能報告制度」を見据え、地域の中で安心して頼っていただける病院であり続けられるよう、体制づくりを進めています。

こうした役割を将来にわたって果たし続けるため、医療機能の充実にも取り組んでいます。今後は地域の救急・急性期医療をより確実に支えるため、病院機能の段階的な拡張も視野に入れています。目指すのは単なる規模の拡大ではなく、「地域の医療がこれからも安心して続いていく仕組み」を支える拠点となることです。

もう一つの大切な使命は、地域の皆さまの健康を守り、社会に役立つ医療を実践することです。治療だけでなく、病気を防ぐことや、健康を保つことにも力を入れています。とくに、生活習慣病の予防や重症化を防ぐ取り組みを進め、糖尿病などの病気については、診療や研究で得られた知見を、講演会などを通じてできるだけわかりやすく地域の皆さまにお伝えしています。

さらに、安心して医療を受けていただくためには、医療の質を高め続けることが欠かせません。約30年にわたり「医療の質向上(MQI)活動」に取り組んできましたが、こうした取り組みを院内にとどめることなく他の医療機関にも役立ててもらえるよう発信し、地域全体の医療の向上にも貢献していきたいと考えています。

(令和8年2月24日更新)

病院長略歴

1982年 慶應義塾大学医学部卒
1982年 慶應義塾大学医学部内科学教室等で研修
1991年 米国シカゴ大学医学部研究員(バセドウ病発症遺伝子の研究)
1994年 練馬総合病院内科
2003年 練馬総合病院副院長
2020年 練馬総合病院院長
2022年 公益財団法人東京都医療保健協会理事長

役職

1995年 慶應義塾大学医学部非常勤講師
2022年 日本内分泌学会功労評議員
2023年 日本糖尿病学会功労学術評議員
2025年 Reviewing Editor, Springer Nature(海外の医学雑誌出版社編集委員)
2025年

BMC Endocrine Disorders, Editorial Board

(内分泌国際医学誌編集員)

2026年 日本医療マネジメント学会東京支部長

受賞・その他

2000年 Marquis Who`s Who in the World*1)
2019年 練馬区民表彰(自治功労)
2023年 慶應大学医学部内科学教室同窓会ベストインストラクター賞*2)

*1)Marquis Who’s Whoは米国のNew Communications inc.による著名人の略歴を掲載した年鑑の紳士録。掲載候補者は世界各国の調査員によって、専門分野ごとの具体的な選択基準等に基づいて選出される。国際的著名人が重点的に選択される傾向にある。無名であっても極めて独創性が高い芸術的・学術的創作活動も重視される(Wikipedia:2023年7月20日アクセス)。医学的業績が評価され掲載となった(医学の進歩に貢献した院長の業績、参照)。

*2)慶應義塾大学医学部内科学教室関連病院等において初期研修医、内科専攻医の教育・育成を介して、内科学教室の活性化に特に貢献した同窓会員を顕彰する賞。

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出版書籍一覧

  • 医療の質向上&指導監査・第三者機能評価のための電子カルテ版 診療記録監査の手引き

  • 医療の質向上&指導監査・第三者機能評価のための 電子カルテ版 診療記録監査の手引き

  • シリーズ 医療安全確保の考え方と手法1 RCAの基礎知識と活用事例 第2版[演習問題付き]

  • シリーズ 医療安全確保の考え方と手法2 FMEAの基礎知識と活用事例 第2版[演習問題付き]

  • シリーズ 医療安全確保の考え方と手法2 FMEAの基礎知識と活用事例[演習問題付き]

  • RCAの基礎知識と活用事例

  • The Genetics of Complex Thyroid Diseases

医学の進歩に貢献した院長の業績

バセドウ病発症遺伝子の発見

バセドウ病は、複数の遺伝要因が発症に関連すると考えられています。1974年にHLAが報告されましたが、長年それ以外の遺伝子は不明でした。1991年、シカゴ大学に留学し、ボスからバセドウ病の第2の遺伝子を見つけるよう指示を受けました。3年余りで運よく確信の持てる実験結果を得て、1995年1月に論文を発表しました
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/7829637/)。
内容は、CTLA-4遺伝子がバセドウ病発症に関連するというものでした。その後、多くの研究により、CTLA-4がバセドウ病発症に関わる第2の遺伝子であることが認められました。米国甲状腺学会創設100周年記念誌が出版され、この1世紀のバセドウ病研究をまとめた論文にも紹介されました
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35765927/)。

複数の自己免疫疾患に関連する遺伝子と認識される

バセドウ病は自己免疫疾患の一つですが、他の複数の自己免疫疾患でもCTLA-4が発症遺伝子であることが認められました。アリソン博士はCTLA-4が自己免疫疾患発症に関連する点に着目し、それを癌免疫療法に適用しました。彼はCTLA-4を標的とした免疫チェックポイント阻害剤を開発し、その功績により2018年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。博士の論文には「Yanagawa はCTLA-4がヒトの自己免疫疾患発症遺伝子であることを世界に先駆けて報告した」と記載しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9354465/

練馬総合病院の経営理念

練馬総合病院の経営理念は「職員が働きたい、働いてよかった、患者さんがかかりたい、かかって良かった、地域が在って欲しい、在るので安心、といえる医療をおこなう」ことです。
“健康に関するお世話”(医療)を軸に職員・患者・地域住民・地域医療機関・行政が一体となった「新しいモデル」となる病院、また、健康に関する情報発信施設として、地域の方々がいつでも気軽に利用できる病院を目指しています。

公益財団法人移行を契機に、「医療の質向上研究所」を設置し、病院と連携して、質向上に関する研究と実践を強力に推し進めています。

基本方針(4項目に集約)

  1. 職員・患者・地域から信頼され、いつでも安心して利用できる病院を目指す。
  2. 地域の中核的な病院(特に2次救急病院)として地域医療連携の中心的役割を果たす。
  3. 継続して質の高い医療機能を保持できるように、健全な病院経営をおこなう。
  4. 常に、質向上の努力を行い、健康に関する情報発信施設として、地域のみならず社会をリードする病院を目指す。

当院の医療の特色

  1. 総合病院機能における効率的な医療の実践
  2. 生活習慣病に対する予防・治療・研究
  3. 人間ドック・脳ドック・癌検診・漢方医学等の予防医学の推進
  4. 栄養相談・生活習慣病教室・糖尿病教室・助産師外来・母親学級・看護体験
  5. 在宅医療・介護施設との連携強化(研究会、情報システム連携など)
  6. 最新医療機器による諸検査の実施(MRI・CT・超音波診断装置、内視鏡、カテーテルなど)
  7. 内視鏡センターとして地域の役割を果たす。(24時間対応の予約システム構築)
  8. 日帰り手術による患者要望への対応
  9. 骨塩定量測定装置
  10. 検査システムによる検体検査迅速報告(特殊検査を除く)
  11. レーザー装置・内視鏡手術・衝撃波・ラジオ波等による低侵襲手術
  12. 独自の情報システム構築による安全の確保(認証システム、DWH活用)
  13. 電子カルテシステムによる情報共有と質向上
  14. 画像ネットワークシステム
  15. 情報システム構築と体制強化により、地域の医療機関との密接した医療連携をおこなう(セキュリティを担保した、院内外の情報連携・活用)

多くの機能、医療機器を充実させています。

ロゴマークについて

このロゴマークは、Nerima General Hospitalの頭文字をイメージしたものです。
病院の象徴として、練馬総合病院の名称が、誰にでもわかるものになっています。

NとHを表す3本の縦線は、「診療・診療技術」「事務」「看護」の3部門と、病院の重厚な存在感を表しています。
また、上部の右上がりの切り込みにより、先進性、向上心を象徴しています。
Gを表す曲線は、病院3部門を融合する理念であり、情報システムです。
さらに地域との連携や連帯感を表しています。
それぞれの価値が相互に関連し合い、医療の質向上をめざす練馬総合病院の姿勢を表現しています。

平成18年12月の新築移転を契機に、青と赤の2色にしました。 名刺をカラーにすると共に、職員の希望により、制服の左肩にカラーのロゴマークの刺繍を入れました。 練馬総合病院職員としての誇りの表れであり、大変重要なことです。
青と赤は、静脈と動脈を、冷静沈着と熱き情熱を、それぞれ表わします。 動脈思考と静脈思考があります。近年、静脈思考の重要性が問われています。 廃棄物処理、環境保護もその一環です。結果としてではありますが、静脈の青が太いことが象徴です。

基本的考え方

  1. 練馬総合病院=N.G.Hがわかる
  2. 練馬総合病院の存在感を示す
  3. 病院の連帯感・地域との連携を表す
  4. 情報発信・先進性・向上心を表す

患者さんの権利と責務

練馬総合病院では、「医療従事者の意識改革」と「医療における信頼の創造」を経営の柱としています。良質な医療を提供し、患者さんが安心して受診できる環境を整えるためには、医療従事者と患者さんが互いに信頼し、協力し合うことが不可欠です。
当院では、かつて「病院の目標」として掲げていた指針を、現在は病院が保証すべき「患者さんの権利」として明文化するとともに、適切な医療を支えるための「患者さんの責務」についてご理解をお願いしております。

1.患者さんの権利

私たちは、患者さんの尊厳を尊重し、以下の権利を保証します。

良質な医療を平等に受ける権利

どのような状況においても、適切な医療を平等に受けることができます。

知る権利と自己決定権

診療内容について十分な説明と情報提供を受けた上で、治療方法などを自らの意思で選択できます。

情報の開示と選択の自由

自身の診療記録の開示請求や、セカンドオピニオン(他の医師の意見)の取得、転院の検討ができます。

代理受諾の権利

判断能力を欠く場合や未成年者の場合は、法的代行者に決定を委ねることができます。

プライバシーの保護

個人情報やプライバシーは厳重に守られます。

尊厳ある生の尊重

人生の最後まで、その人らしく豊かに過ごせるよう、個人の尊厳が常に尊重されます。

2.患者さんの責務

最善の医療を実現するため、患者さんには以下の事項へのご協力をお願いしています。

正確な情報の提供

過去の病歴、現在の状態、家族歴などをできるだけ正確にお伝えください。

意思表示の明確化

治療方針への疑問や変更の希望がある場合は、速やかに意思表示をしてください。

十分な理解と質問

医療者の説明に納得できるまで質問し、理解を深めるよう努めてください。

診療への協力

同意した検査や治療計画には、前向きにご協力ください。

ルールとマナーの遵守

病院の規則や社会的ルールを守り、他の患者さんに支障を与えないよう配慮してください。

信頼の創造に向けた当院の取り組み

当院では、上記の権利と責務を形骸化させないため、以下の活動を継続しています。

医療の質向上(MQI活動)

TQM(総合的質経営)を導入し、効率的で質の高い医療サービスを追求しています。

職員教育の徹底

人事考課制度や年次別研修を通じ、「医療は特殊な職業ではない」という意識のもと、全職員が自ら考え行動できる組織づくりを行っています。

人生会議(ACP)の推進

患者さんが望む医療やケアについて、ご家族や医療チームと事前に繰り返し話し合う「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」を推奨しています。リビングウィル(生前意思表示)を含め、患者さんの最期までの希望を尊重します。

病院と患者さんが手を取り合い、共に最善の医療を創り上げていきましょう。